WarpDrive(Web媒介型攻撃対策技術の実用化に向けた研究開発)は、Web媒介型攻撃の実態把握と対策技術の向上のため、株式会社KDDI総合研究所、株式会社セキュアブレイン、国立大学法人横浜国立大学、国立大学法人神戸大学、株式会社構造計画研究所、国立大学法人金沢大学、国立大学法人岡山大学が国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)より委託を受けて行う研究開発のプロジェクトとして行ってきました。PC版の実証実験は、2018年6月1日から開始しました。委託研究は、2021年3月31日をもって終了しましたが、本プロジェクトおよび本実証実験は、2021年4月1日から国立研究開発法人 情報通信研究機構の研究開発の一つとして行います。
サイバー攻撃は、多様化・巧妙化を続け、Webサイトを閲覧するだけでマルウェアに感染するWeb媒介型攻撃による被害が後を絶ちません。Web媒介型攻撃は、特定のWebサイトを閲覧したユーザに対してのみ攻撃が行われるため、受動的なサイバー攻撃観測網では、正確な攻撃の実態把握が困難でした。そこで、WarpDriveでは、ユーザ参加型の攻撃観測網を構築することによって、攻撃の実態解明や攻撃対策の展開を目指します。
WarpDriveでは、アニメ「攻殻機動隊SAC_2045」シリーズに登場するキャラクター「タチコマ」をモチーフに、Web媒介型攻撃対策ソフトウェア「タチコマ・セキュリティ・エージェント
(以下、タチコマSA)」を開発しました。タチコマSAは、(1)ユーザのWebブラウザの中でWeb媒介型攻撃の観測・分析を行い、(2)攻撃検知時には悪性Webサイトの閲覧をブロックし、(3)ユーザに警告やアドバイスを行います。さらに、インターネット上に分散したタチコマSAたちが、(4)並列化(情報集約・横断分析・新機能展開等)を繰り返し、最新のWeb媒介型攻撃に対応します。
タチコマSAをつかったユーザ参加型の実証実験を2018年6月1日(金)より開始します。本ポータルサイトにおいて、Windows版およびmacOS版のタチコマSAを、一般ユーザ向けに無償配布します。タチコマSAをインストールすると、上記のセキュリティ機能に加え、攻殻機動隊のコンテンツや同作をモチーフにしたWeb空間の可視化等も体験できます。WarpDriveは、本実証実験を通して「電脳空間におけるタチコマ・リアライズ」を進め、Webの安全性向上を目指します。
名称 |
WarpDrive実証実験 |
実施機関 |
KDDI総合研究所、
セキュアブレイン、
横浜国立大学、
神戸大学、
構造計画研究所、
岡山大学、
金沢大学、
NICT
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期間 |
2018年6月1日(金)から2026年3月31日(火) |
目的 |
ユーザ参加型の観測によるWeb媒介型攻撃の実態把握と対策展開 |
実施内容 |
・参加者は、端末にタチコマSAをインストール
・タチコマSAをインストールしたブラウザによってWebアクセスを行う。
・タチコマSAが収集したデータを分析することによって、
Web媒介型攻撃の実態を分析する。
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収集データ |
Webブラウジングにともなう情報、Webブラウザ・OSに関する情報 |
参加要件 |
WindowおよびmacOSにおけるGoogle Chrome |
費用 |
無料 |
詳細は、
規約をご確認ください。
本実証実験の実施に先駆け、実証実験参加ユーザのプライバシ保護の観点から、実証実験におけるデータの収集および利用について、NICT内の「パーソナルデータ取扱研究開発業務審議委員会」で審議し、収集するデータの内容、管理方法、利用について実証実験参加ユーザのプライバシに配慮した実施内容となっていることを確認しています。また、実証実験の参加規約、収集するデータの取り扱いに関して定めた文書を整備し、安心して実証実験にご参加いただけるよう情報を開示しています。詳しくは以下のリンクをご覧ください。
WarpDrive実証実験の参加規約およびデータの取り扱い